スポーツ団体運営LABO Vol.1

スポーツ団体に求められる役割

2020.03.20 配信


スポーツ団体といっても規模や目的により様々な団体が存在します。法人格を有する団体から任意団体

まで含めると愛知県だけでも2,000を超える団体があります。大学のサークルや地域のクラブなどを

めると、この数の何倍ものスポーツ団体が存在していることになります。

これだけ存在するスポーツ団体。競技の種類やメンバー構成、活動目的が多種多様であることはいう

でもありませんが、スポーツ団体に関わる人にとって、規模、目的、競技は異なっていてもスポーツ団体

として果たすべき<役割>という、団体運営者として本来的に持っておかなければならない共通認識に

ついて、今回お話ししてみようと思います。



スポーツ団体とは?



そもそもスポーツ団体とは何でしょうか?

堅苦しい物言いをすると、スポーツ団体とは「スポーツの振興のための事業を行うことを目的とする団

体」をいいます。このことは2011年8月に施行された法律「スポーツ基本法」にも明記され、さらにスポー

団体の設立形態、団体規模、活動内容問わず、スポーツ団体は国や地方公共団体と同様に、重要な

割を果たすべき存在として位置付けられています。

スポーツ基本法という法律によって定義づけられているものなので、非常に堅苦しく思われるかもしれま

せんが、ざっくりと言わんとすることをまとめると、

スポーツを通じて社会に貢献できる活動をしましょう」

ということになるのでしょう。転じてそれを行うのがスポーツ団体となります。

私の知る限りのスポーツ団体運営者はこの考えを持って活動していると感じていますが、スポーツ団体

が国や地方公共団体と同様に果たさなければならない<重要な役割>について聞いてみると、答えは

まちまち、というのが実際のところです。

では、スポーツ団体の<重要な役割>とは何なのでしょう。




スポーツ団体の果たすべき重要な役割



スポーツ団体には大きく3つの役割があります。


1・スポーツの普及や競技水準の向上に果たすべき役割

2・スポーツの振興のための事業を適正に行う役割

3・スポーツに関する紛争について迅速かつ適正に解決する役割


この3つがスポーツ団体がスポーツ団体として常に果たさなければならない役割になります。



1・スポーツの普及や競技水準の向上に果たすべき役割


この役割は言葉には発しないにしても、スポーツに関わる多くの方が本来的に感じている、知っている

割と言えます。そもそもスポーツ団体を設立するときには、そのスポーツを楽しむため、仲間を増やす

め、そしてその競技をうまくなるための手助けをするため、設立しているかと思います。この役割につい

は、比較的クリアしている団体は多いでしょう。ただし、この役割を全うするためのいくつかの「宿題」が

ることはご存知でしょうか。それはスポーツを行う者の、


・権利利益の保護

・心身の健康の保持増進

・安全の確保


に気を配りながら、スポーツの推進に主体的に取り組むよう努力すること、という宿題です。ここに挙げら

れた宿題はいづれ個別にお話しすることにしますが、簡潔にいうと団体メンバーや会員ファーストで運営

してこそ、この役割が果たされていると言えるということです。



2・スポーツの振興のための事業を適正に行う役割


実はこの役割は多くのスポーツ団体が忘れがちです。愛知県という冠がつくスポーツ団体規模では、あ

程度、この役割を果たそうと努力していますが、しかし「ある程度」でしかありません。

設立から何十年も経った歴史あるスポーツ団体の方とお話しすると、「昔からこうやってきた」「何年もやっ

てきた大会だからみんなやり方がわかっている」という言葉をいただくことがあります。当然、何十年もや

ってきた大会であれば、部外者が口を出すことは少ないでしょう。ただし、ここで問題となるのは、その大

会を行う人(運営者、それもコアなメンバーのみ)だけが知っている、という点です。

この役割でいう「適正」とは、


・運営の透明性の確保

・自らが遵守すべき基準の作成


がなされてこそ、初めて「適正」と呼べるものです。どのような目的でその大会が開催され、どのような流

で開催に向けた打ち合わせがなされ、そしてどのような方法で運営していくのかを団体外部の誰もが

解できる告知を行わなければなりません。また、その運営、事業活動が第三者の意見を組み入れ、か

つ、団体全体の意思で決められたルールにって遂行されなければなりません。交通費の支給、ボラン

ティア報酬額、参加者の選定、開催の可否を決める規定など、団体運営者自らが決めなければならない

ルール・基準は様々ですが、この役割を全うするためには、運営の透明性確保、団体ルールの作成はマ

ストと言えることは確かです。



3スポーツに関する紛争について迅速かつ適正に解決する役割


紛争、というと非常に重い言葉で、重大な事態に陥ったような印象を受けてしまいがちですが、簡単に言

えば、団体内で何かトラブル、事故・事件が起こったときに、その解決をスピーディーに行いましょう、とい

うことです。ここにも適正という言葉がありますが、起きたことの解決のために、解決手段、解決手順を決

めて、その解決方法を公示しておきましょう、という意味が含まれています。

残念なことですが、最近ではスポーツ団体を巡る不適切なニュースをよく目にするようになりました。多く

のスポーツ団体にとっては他人事のように感じる方が多いのですが、いざ自身の団体で何か起きた時、

当事者になった時、何らかの策を準備しておく必要性、第三者への解決依頼フローを備えておく必要性

があることは誰もが思うところであります。この役割もスポーツ団体が果たすべき役割としてしっかりと認

識しておく必要があります。



まとめ


今回はスポーツ団体に求められる役割についてお話ししてきました。スポーツ団体といっても草野球チー

ムやウォーキングクラブ、地域型スポーツクラブ、県市町村のスポーツ団体を統括する体など様々で

す。これら規模や目的、競技の異なる団体であっても「スポーツの振興のための事業を行うことを目的と

する団体」であることは変わりありません。

スポーツ団体に求められる最大の役割はスポーツの普及、振興ではありますが、あらゆるスポーツ団体

に共通する本来的な役割をしっかり理解し、皆様の団体のさらなる発展と競技や地域を活性化させるよ

うな社会貢献の足跡を刻んでいただければと強く願っております。